マイクロスコープ治療

マイクロスコープを用いた虫歯治療

初期の虫歯は痛みを感じにくいため、患者様ご自身でも痛みを自覚しにくいことがあります。さらに、歯科医師も見つけられないことがあるため、気づいた時には虫歯が相当進行していることもあります。

しかし、マイクロスコープを使うことで、肉眼では確認できないような小さな虫歯や僅かなヒビも発見できるため、ごく小さな虫歯のリスクも見逃しません。また、虫歯を削る際にも「ミニマルインターベンション（MI）」が可能で、悪い部分だけを除去することができます。つまり、歯を削る範囲を最小限に抑え、できるだけ歯を残す治療が可能となります。

さらに、削った部分に詰め物を充填する際も、マイクロスコープを使うことで目に見えない微細な段差もなく、なだらかに詰めることができます。これにより、虫歯の再発予防にも効果的です。

マイクロスコープを用いた根管治療

根管治療は、肉眼では決して見ることができない歯根の先端部分まで確認しながら行われる治療です。歯の中にある根管は非常に複雑な構造をしており、直接見ることができないため、従来は経験と勘に頼って治療を行っていました。しかし、この方法では治療が上手くいかない場合や予後が悪くなる場合があり、最悪の場合は抜歯が必要となることもありました。
しかし、マイクロスコープを使うことにより、歯の内部を拡大し、直接肉眼で根管内部を見ながら治療を行うことが可能となりました。これにより、従来では考えられなかった副根管の治療まで行うことができ、予後の再治療を防ぐことができるようになりました。
マイクロスコープを用いた根管治療は、より精密な治療が可能となり、患者様の歯をできる限り保存することができる重要な治療法となっています。

当院の根管治療への取り組み

①　CT撮影を行い、適切な診断を下してから処置を行う。
⇒３次元的に病巣の広がりや神経のお部屋の形を処置前に正確に診断できる

②　可及的にラバーダム防湿を行う。
⇒ラバーダム防湿法の重要性について（後で詳しく書く）
唾液に含まれている口腔内細菌の根管内への侵入を防ぐことができ、無菌的な根管治療ができ、高い成功率を実現できる。

③　Ni-Tiファイルを使用する。
⇒一般的なファイルとは違い、柔らかくしなやかなため歯の余分な部分を削らないので天然歯に優しく、根管形態に沿って正確に清掃できる。

④　必ずマイクロスコープを使用する。
⇒マイクロスコープの重要性について、全国でも10％程度の普及率で最大40倍で肉眼では見つけづらい根管や歯の亀裂線も発見することができ、根管治療の高い成功率の実現に寄与する。

⑤　保険診療の根管治療でも高い成功率を目指します。

マイクロスコープを用いた再生治療

歯周病が進行すると、炎症が歯肉の奥深くまで達してしまい、歯周組織が破壊されていきます。重度の場合、歯周組織を回復させるために歯周外科手術が必要になることがあります。この際、重要なのは歯周病菌に感染した患部を除去し、汚れをしっかり取り除くことです。
マイクロスコープを使うことによって、これまで肉眼ではわからなかった感染部分の除去が可能となります。微細な部分まで拡大された視野で治療が行われるため、取り残しのリスクを防ぎ、より精密な治療が可能となります。
マイクロスコープを用いた再生治療は、歯周組織を回復させる上で非常に効果的であり、患者様の口腔の健康を保つために重要な治療法となっています。